簡単な実力チェック

以下は実力チェックテストです。

編集の都合上、以下のWebサイトの方が充実しておりますので、可能であれば以下で詳細をご覧ください。

https://www3.hp-ez.com/hp/sangyoucounseller/page1

リクエストがあったので、点数を付け、解答を消去しました。たった10問ですが、今の状態での知的レベルをチェックしてみてください。あいまいな理解では解けない問題も含まれており、内容をしっかりと理解する力が問われる問題です。

尚、ここに掲載されている問題の解答と解説は無料です。お問い合わせからご応募ください。解答と解説は以下の構成で出来ています。(PDF形式)

●問題そのものと解答

●解説

●問題の解答レベル(他の11人(既にカウンセラー、コンサルタントとして活躍している方々の解答者の解答結果)

●平均点(昨年実施したデータも含まれます。)

ご遠慮なくご応募ください!

 

(各10点10問 合計100点)

 

1:傾聴の意義と技法について、以下の文章の中で誤った記述があるものの組み合わせを選択せよ。

ア:抑圧の解除は除外学習とも呼称され、抑圧されていた感情や情動がその人の言葉や動作として意識の領域に表現されることを示す。

イ:ロジャーズによる「自己過程」の考え方を発展させたのがジェンドリンによる「体験過程」の理論と実践である。

ウ:今この瞬間に人が体験している感情や気持ちの流れの中で、意識の中ではまだわからない気持ちに触れ、それを語ることによって気持ちが質的に変化する過程を体験過程という。

エ:観念や感情などが結合または結合したものの一方が生じるとそれと結合する他方が引き出されることを連想という。

オ:他と比較することの出来ない特有の自己を表しはじめることを個性化の過程といい、ユングは個性化の過程は心の深いところでの象徴的体験として把握されることを唱えた。

カ:心の内にあるさまざまな不安やイライラ、苦悩や怒り等の感情を言葉にして表現し、その苦痛を解消し、安堵感や安定感を得ることをカタルシス効果という。

キ:自己過程とは、自己を構造論的にとらえ、自己を形成する構成要素が段々と組みあがっていく過程を示す。

A:ア、ウ

B:ア、キ

C:イ、エ

D:イ、キ

E:ウ、オ

F:エ、カ

G:オ、カ

 

 

2:「会社を辞めたいので相談にのってほしい」と相談室に手紙を出した女性社員(20歳代後半)が相談室に来ることになった。これまでこの女性社員について社内で特別な情報を得たことは無い。業務委託カウンセラーが相談室で最初にとるべき措置として最も適切なものはどれか。(解答は一つです。)

ア:会社を辞める原因が上司又は同僚にある場合はその原因を明確にし、原因となる上司又は同僚の問題としてとらえる。

イ:会社を辞めたい理由を細かく聞き、どこにその原因があるのかを明確にする。

ウ:女性社員が現在の状況を自発的に話すことが出来るように話をすすめる。

エ:会社を辞めるという状況は深刻なので、上司を呼び、上司と同伴で話を聞く。

オ:カウンセラーとしての権限を逸脱する行為は出来ないので、人事担当の社員を呼び、人事担当社員と同伴で話を聞く。

 

 

3:成人期の発達に関して、以下の文章の中で誤った記述があるものはどれか。(解答は一つです。)

ア:「中年の危機」とは漠然とした人生への幻滅感、停滞感、圧迫感、焦燥感等を主な特徴とする中年期特有の心理状態のことを示す。

イ:C.G.ユングは中年期を「人生の午後」と呼称し、その課題として、いままで排除してきた自分を見つめなおし、新たな自己実現を果たしていく「個性化の時期」であると指摘している。

ウ:高度経済成長期を支えた日本企業には、終身雇用制や年功序列賃金といった中年の安定と充足を保障する企業制度があったので、中高年の発達的危機が前面に出てくることは少なかった。

エ:中年期は、体力や気力の減退・結婚と離婚・子どもの成長と自立・夫婦関係の変化・親の老化と介護・男性性や女性性の意識・社会的地位と責任の変化など多くのライフイベントが発生する心理的変容の激しい時期である。

オ:中年期の精神的危機を体験したR.メイは中年期を人生の前半と後半の境界線であると考え、それ以前の人生の前半期を「外向的適応の精神発達期」と定義し、それ以後の人生の後半期を「内向的適応の精神発達期」と定義した。

 

 

4:カウンセラーの職務に関して、以下の文章の中で誤った記述があるものの組み合わせを選択せよ。

ア:精神的不調が精神障害の兆候として認められた場合、カウンセラーはすみやかに専門家への紹介を行わなくてはならない。

イ:精神科で薬物療法を受けているクライエントに関して、薬物療法に関する知識を持たないカウンセラーであっても、薬による効果、症状の消失、副作用等を知っておくことは重要である。

ウ:たとえ医療機関の不法行為によってクライエントに提供された薬物に関することであっても、カウンセラーはクライエントの職場や家族にはその内容を秘匿にするべきである。

エ:カウンセラーは精神科医の指導の下においてのみ一部の薬物療法をクライエントに対して行うことが可能である。

オ:希死念慮が強い場合には、家族のサポートが必要であることをクライエントに理解してもらう必要があり、万が一、クライエントが拒否する場合もねばり強く努力を続けるべきである。

A:ア、ウ

B:ア、エ

C:イ、エ

D:イ、オ

E:ウ、エ

F:ウ、オ

G:エ、オ

 

 

5:心理テストに関する内容と方法について、組み合わせが誤っているものの組み合わせを選択せよ。

ア:MMPI---多面的人格目録---質問紙法

イ:TAT---主題統覚検査---投影法

ウ:EPPS---エドワーズが開発した性格検査---質問紙法

エ:MAS---テイラー不安検査---作業法

オ:SCT---文章完成法テスト---質問紙法

A:ア、ウ

B:ア、オ

C:イ、ウ

D:イ、エ

E:ウ、エ

F:ウ、オ

G:エ、オ

 

 

6:カウンセラーの各理論について以下の文章の中で誤った記述があるものの組み合わせを選択せよ。

ア:森田療法では「生の欲望の発揮」が不可欠であるため、患者自身が「治したい」という意思や心構えを持っていないと治療の過程で脱落しやすい。

イ:内観療法は、他者への理解・信頼を深め、自己の存在価値や責任を自覚することによって社会生活の改善を行うことを目的としているため、不登校児の更正や家族間の問題に効果が見られる。

ウ:W.グラッサーによって提唱された現実療法は、現在の満たされていない重要な人間関係に焦点を当てることによって問題解決を試みる手法であり、非行少年、非行少女の更正に効果が見られる。

エ:家族療法では、家族をシステムとしてとらえ、家族の中の症状をもつ人をIP(Identified Patient)と呼称する。

オ:アーロン・ベックは、うつ病と非うつ病の患者の思考プロセスを比較し、うつ病患者には特有の行動の歪があることを指摘し、行動療法を提唱した。

カ:アルバート・エリスによって創唱された論理療法は、来談者の受容、共感的理解という点でロジャーズによる来談者中心療法と共通する。

A:ア、イ

B:ア、オ

C:イ、ウ

D:イ、カ

E:ウ、エ

F:エ、オ

G:オ、カ

 

 

7:カウンセリングの様々な療法に関して、以下の文章の中で誤った記述があるものはどれか。(解答は一つです。)

ア:V.E.フランクルの提唱した実存分析は、人間は自ら成長する力を備えていることを前提としている点がロジャーズによる来談者中心療法と共通している。

イ:W.グラッサーによる現実療法は、マズローがその欲求階層説で提唱した「自己実現の欲求」が満たされていないクライエントを対象としている。

ウ:行動療法は、人間の後天的な要素を修正するという点で論理療法と共通する。

エ:ゲシュタルト療法で行われるエンプティチェア(日本語で空いている椅子)とは椅子を2脚用意し、来談者のなかの葛藤を別々の自分に見立てて対話をさせる方法である。

オ:ロジャーズの来談者中心療法を発展させたE.T.ジェンドリンは、来談者の内的体験・身体感覚・感情経験のプロセスに焦点を当て、内面にあるもやもやとした感覚を感じ取って言語化する体験過程療法を提唱した。

 

 

8:パーソナリティ理論に関する以下の文章の中で誤った記述があるものの組み合わせを選択せよ。

ア:E.クレッチマーは精神病と体格の研究から体型と気質について分類を行い、その中で肥満型を躁うつ気質、細長型を分裂気質、闘士型を粘着気質とした。

イ:K.ゴットシャルトは、環境的要因である知性的上層と遺伝的要因である内部感情的基底層の2つの主要層からパーソナリティが規定されていると考えた。

ウ:C.G.ユングはパーソナリティを外向型と内向型の2つに大別しているが、この考え方はH.J.アイゼンクらが提唱する特性論の外向性因子と内向性因子の考え方に基づいている。

エ:K.シュナイダーは自身の臨床経験からパーソナリティ気質を10個の類型にまとめている。

オ:W.H.シェルドンは体質的生物学的な考え方を基礎に3つの体格型(内胚葉型、中胚葉型、外胚葉型)を発表している。

A:ア、ウ

B:ア、オ

C:イ、エ

D:イ、オ

E:ウ、エ

F:エ、オ

G:ウ、エ、オ

 

 

9:記載された防衛機制の種類に対して、誤った例が示されているものを選択せよ。(解答は一つです。)

ア:自虐----旦那がリストラされたことについて責任を感じてうつ状態になる妻

イ:置き換え----先生に叱られた不満を同級生をいじめることによって解消する

ウ:分離----好きな人と別れたが、なぜか悲しいと感じない。

エ:合理化----入社試験で受からなかった会社を「どうせろくでもない会社だ」と思い込む。

オ:退行----乗ってみたいけど怖いからやっぱりジェットコースターに乗らない。

 

 

10:うつ病に関する以下の文章の中で誤った記述があるものはどれか。(解答は一つです。)

ア:うつ病の薬物療法では不足していると考えられるセロトニンやノルアドレナリンと同じ働きをする物質を薬物から補うことによって実施される。

イ:うつ病の代表的な身体的症状としては頭痛、不眠があげられるが、精神症状としては口数が少なくなる、ボーっとする等があげられる。

ウ:うつ病は男性より女性の方が発症しやすい傾向にあり、自殺との関連性も高い。

エ:うつ病には人付き合いを避けるようになるといった症状も確認されており、対人関係が悪化し、さらに病気を悪化させるという悪循環も生じやすい。

オ:うつ病の精神症状としては、自己に対する無価値感、自殺念慮、希死念慮、パニック障害等も含まれる。