学科試験Ⅰ 予想問題

編集の都合上、以下のWebサイトの方が充実しておりますので、可能であれば以下で詳細をご覧ください。

https://www3.hp-ez.com/hp/sangyoucounseller/page1

 

 

以下は全て選択式の問題となっておりますが、答えとなる選択肢を全て答えて初めて点数となります。例えばア~カの中でイ、エ、カが正解だとすると、イ、エ、カを選択した人以外は全て×となります。文章の中の正しいところと誤っているところを正確に見抜けばそれほど難しくはありません。それゆえ全て基本的な問題となっております。事前にほとんど勉強していない人でも8割程度の内容は理解出来ると思います。それではどうぞ.....

 
1:産業カウンセリングの源流に関する次の文章の中で記載に誤りのあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません)

ア:心理学者ソーンダイクは口頭試問や論述式の筆記試験といった主観的な測定方法を用いて、教育に関する測定的観点を主張した。

イ:知能検査を考案したビネーらの考え方は米国の教育測定運動に影響を与え、L.M.ターマンは知能指数で検査結果を表示する知能検査の作成に成功した。

ウ:メンタルヘルス運動に大きく影響した精神衛生運動は、ビアーズによる精神病治療経験談によって広まり、コネチカット州精神衛生協会設立の原動力となった。

エ:フランク・パーソンズの提唱した特性因子論は全体的・直感的・経験的な性格理解を簡単に出来るという長所がある。

オ:心理学者アルフレッド・ビネーと医師シモンが作成した知能検査は年齢別の知能水準を相対的に把握するため、精神年齢の概念を取り入れている。

 

2:ホーソン実験に関する次の文章の中で記載に誤りのあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません)

ア:照明実験は、工場の照明といった作業条件と従業員の作業能率の関係を分析する目的で行われた。

イ:作業能率に影響を与える集団内の規範や仲間意識を存在させるため、客観的な職場環境が必要であることが仮説として導きだされた。

ウ:ハーバード大学のエルトン・メイヨーの人間関係論は後にテイラーの提唱した科学的管理法に影響を与え、経営管理論の主流となった。

エ:作業環境や労働条件は作業の能率、生産性を大きく向上させる要素となり、その相関関係が証明された。

オ:職場での労働者の労働意欲は、その個人的な経歴や職場での人間関係に左右されるという結果が面接調査により導かれた。

カ:実験後、人事制度として従業員への面接制度が導入されたが、本格的なカウンセラーは高度な専門的知識が要求されるため、配置されなかった。

 

3:アメリカでの産業カウンセリング発展の歴史に関する次の文章の中で記載に誤りのあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません)

ア:1940年代にアルコール依存症対策としてスタートした従業員支援プログラムは、労働者へのメンタルヘルスケア対策として有用であり、米国の過半数の企業が採用している。

イ:精神科医アンダーソン博士は、メーシー百貨店の従業員の勤務態度を改善することを目的として従業員を対象に面接を行った。その結果問題行動のある従業員の2/3は意識改革をし、勤務態度が向上した。

ウ:テネシー州オークリッジ工場では、従業員のモチベーション向上と成長意欲促進のため、カウンセラーを任命した。

エ:従業員の離職、欠勤、事故等の問題をかかえていたキャタピラー社は精神科医主導のもとにカウンセリングを実施し、職場不適応の改善に努めた。

オ:ホーソン実験では労働者に対する賃金、休憩時間、軽食、部屋の温度・湿度などの条件の変更と作業効率の関係が立証された。

 

4:産業カウンセラーの活動領域に関する次の文章の中で記載に誤りのあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:メンタル不全とは、うつ病・ノイローゼ・心身症・人格障害・統合失調症などの精神の不調全般のことを示す。

イ:アサーション・トレーニングとは対人不安や恐怖を緩和し自己表現スキルを身につける訓練法であり、自己否定的な認知のために自己表現が出来ない人には有効な訓練法である。

ウ:精神障害者への対応は高度な専門知識を必要とするため、産業医など産業精神保健スタッフと連携をとり早期に対応することが重要である。

エ:メンタルヘルス教育は個人の健康維持に重点がおかれており、人事労務管理と結びつくリスク・マネジメントとしての有効性については十分な領域とはいえない。

オ:産業カウンセリングの目的は、勤労者の人間的成長(単に不平不満の処理とか、一時的な不適応の解決のみでなく、職業生活の自立と密接に関係しているもの)を援助することである。

 

5:ワークモチベーションに関する次の文章の中で記載に誤りのあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:科学的管理法を提唱したテイラーは労働怠業のパターンを外発的怠業(外部要因による怠業)と内発的怠業(内部要因による怠業)の2パターンとした。

イ:科学的管理法は労働強化や労働者の疎外・抑圧を生じてしまうことが問題点であり、労働者に対する心理学的アプローチを考慮にいれていない。

ウ:フレデリック・ハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)とは、人間の仕事における満足度は、「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)によって構成されるという考え方である。

エ:ダグラス・マグレガーはその著書「企業の人間的側面」の中で、権限行使と命令系統による経営手法をX理論として批判した。

オ:ダグラス・マグレガーによる経営手法はアブラハム・マズローが提唱した欲求階層説を基に説明されており、高次元の欲求を満たす要素がその後の経営手法に有効であることを提唱した。

 

6:フレデリック・ハーズバーグの二要因理論において衛生要因となるものを以下から選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:上司との人間関係

イ:必ず決められた服装を着て作業を行う社内規定

ウ:特定のプロジェクトの成功度合いに応じて得られる達成感

エ:一定額支給される賃金

オ:売上高や利益率に応じた昇進制度

 

7:マズローの欲求階層説とアルダーファのERG理論に関する次の文章の中で記載に誤りのあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:アルダーファもマズローと同様に、欲求の階層性を仮定しているが、アルダーファの場合には、生存が最低次の欲求であり、その1段上位に関係欲求があり、成長欲求は最高次の欲求であるとしている。

イ:「各欲求は、必ずしも逐次的に発現するのではなく、同時に発現することもありうる」とするアルダーファの理論は欲求の併存という点でマズローの理論と異なる。

ウ:マズロー、アルダーファの理論は「最高次の欲求だけは満足されても、その強度ないし重要度は減少せずに、逆にさらに増加する。」という点で共通する。

エ:アルダーファのERG理論は「上位階層の欲求の満足の欠如は、下位階層の欲求の強度ないし重要度を増加させる」という仮説をマズローから受け継いでいる。

オ:アルダーファのERG理論は、マズローの欲求区分を3つに再分割したものであり、各欲求間の関係という点でマズローの欲求階層説を単純化している。

 

8:組織の心理学に関する次の文章の中で記載に誤りのあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)
ア:レスリスバーガーは、「人間の態度や感情は、本人の過去の経験や周囲の職場集団の状況によって決まる」とし、この人間観を社会人モデルと称した。

イ:企業組織の人間的側面としてレスリスバーガーの定義するフォーマル組織とは、企業の設置する部門や課のことを示す。

ウ:アージリスは、「人間は成熟の程度に応じて、それぞれ成長の方向に向かってみずからの欲求を表明し、労働の過程で自己実現を目指す「自己実現人」である」と仮定し、組織の中の人間行動を説明しようとした。

エ:コミュニティ・アプローチとは個人の問題をその背景事情を含めて捉えるという発想のことである。

オ:コミュニティ・アプローチの手法過程において、クライエントの秘密を厳守する「密室型」のカウンセリングが近年求められてきている。

カ:集団、組織、地域社会などのコミュニティで発生した諸問題の解決に向けて実務者と研究者がそれぞれ個別に取り組む実践的研究技法をアクション・リサーチという。

 

9:コミュニティ・アプローチに関する次の文章の中で記載に誤りのあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:組織介入では、トップに問題意識をもってもらうことが重要であるが、組織存続の危機につながる可能性がある場合は組織へ徐々に浸透させるボトムアップ方式をとる場合もある。この場合は組織介入を短期で行うことは難しい。

イ:メンタルヘルス部門は組織にとって異質なものであり、且つその存在が組織に不可欠であることを強調することが大事である。

ウ:組織介入はその対象組織にコミットしていく方法で行われ、介入のプロセスは、問題の気付き、介入計画立案、介入の実行、結果の評価、理論化の順番で行われていくことが望ましい。

エ:メンタル不全になった人を助けるだけではなく、その人のおかれている環境が改善されない限り、真の問題解決にはならないという視点に立つことが必要である。

オ:「個人と組織」の双方の健康度を高めることを目的とするため、企業トップに問題意識をもたせることが重要である。そのため、個々の従業員の参加意識を高め、従業員自らが企業トップへの働きかけを積極的に行うことが不可欠となる。

 

10:我が国の現在の労働供給構造の変化に影響を与えているものとして正しいものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)
ア:外資系企業の参入

イ:技術革新型市場から市場牽引型市場への移行

ウ:高齢化社会

エ:女性の社会進出

オ:少子化

カ:産業の空洞化

 

11:人事考課制度に関する次の文章の中で記載に誤りのあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)
ア:人事労務管理は、雇用管理、報酬管理、労使関係管理の3つの領域に分ける事が出来る。人事考課制度は労使関係管理の領域で行われ、労使間調整として寄与している。

イ:人事考課制度は能力や仕事ぶりを評価し、賃金、昇進、能力開発などの諸決定に役立てる手続きであり、その評価は主に能力評価、情意評価、業績評価である.

ウ:ハロー効果とはある対象を評価をする時に顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のことを示す。

エ:情意評価では、組織の中における協調性や社内服務規程の遵守、部門内での責任感といった項目が評価される。

オ:人事考課は公平性、透明性をもって行われるべきであるが、透明性に関して公開されているものは実情2割程度である。

 

12:ハロー効果の例として正しいものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:過去に犯罪歴のある人物を不採用とした。

イ:株主総会の会場案内役として、経験の多いA君よりも服装や身なりの良いB君を採用した。

ウ:展示会場の製品プロモーションを行う女性として、美人のCさんを採用した。

エ:採用試験で点数の高かったD君と点数の低かったE君について、E君の父親が弁護士であることからE君を採用した。

オ:夕食の食材を購入する際に、汚職事件のあった食品会社メーカーが製造した食材を避けて購入した。

 

13:オペラント条件付けに関して記載された次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:レスポンデント行動(respondent behavior)とは異なり、オペラント行動には通常それを“誘発する”生得的な刺激(無条件誘発刺激)は存在しない。

イ:オペラント条件付けはソーンダイクによる試行錯誤学習の研究をもとにスキナーによって定式化され、その後の行動療法やプログラム学習等の応用領域が開拓された。

ウ:古典的条件付けとは異なり、オペラント条件付けでは刺激の程度によって刺激に対する反応が変容することを示しているが、刺激間の連合については言及していない。

エ:オペラント条件付けによるオペラント行動とは、その行動が生じた直後の環境の変化に応じて、その後にその行動が生じる頻度が変化する行動を示すが、その行動頻度の増加に関してのみ言及しており、行動頻度の減少に関しては言及していない。

オ:ターゲットとされる行動は、行動者の自発性を促すことを目的としているため、客観的に測定可能な「行動」である必要はない。

カ:トークン・エコノミーは一定の課題をクリアしたとき、あらかじめ約束した条件に従ってトークンを報酬とし目標とする行動を強化するシステムのことである。 

 

14:行動随伴性に関して提示される4種類の例として、その組み合わせの誤ったものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:正の強化=従業員に臨時報酬を与えたことにより、従業員の客先訪問回数が増えた。

イ:負の弱化=ある職員の給与を減額したことにより、その職員の遅刻回数が減った。

ウ:正の弱化=子供を叱ることによって、いたずらをする機会が減った。

エ:負の強化=社内の部門別業務の制限を無くしたことにより、従業員は自由に意見を述べるようになった。

オ:負の強化=子供に罰を与えることによって、子供が勉強するようになった。

カ:正の弱化=アルバイトの時給額を増やしたことによって、問題のあったアルバイトの職員の接客態度が改善された。

 

15:除外学習法の例として正しいものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:子供からテレビゲームを取り上げた結果、テレビを見る時間が減った。

イ:報酬を減額したことによって、従業員の欠勤が少なくなった。

ウ:間食をやめたことによって、体重が減った。

エ:交際費を減らしたことによって、余分な営業接待が減った。

オ:社内の喫煙場所を無くしたことにより、喫煙者が減った。

 

16:近年の労働関連法の改正について正しいものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:長時間労働を抑制し、労働者の健康を確保するとともに仕事と生活の調和がとれた社会を実現することを目的とし、平成22年4月施行の改正労働基準法では「時間外労働の限度に関する基準」の見直し、法定割増賃金率の引上げ、年次有給休暇の時間単位付与等が規定されている。

イ:平成24年8月に公布された「労働契約法の一部を改正する法律」において、不合理な労働条件とは賃金や労働時間等の狭義の労働条件のみが対象となっており、労働契約の内容となっている災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚生など、労働者 に対する一切の待遇はその対象に含まれていない。

ウ:有期労働契約で働く人の約3割が、通算5年を超えて有期労働契約を反復更新している実態の中で雇止めの不安の解消を行い、働く人が安心して働き続けることができる社会を実現することが成24年8月に公布された「労働契約法の一部を改正する法律」の目的である。

エ:平成24年10月から施行される労働者派遣法改正法は、派遣事業の適正な運営に関する事項の規定をしている。それにより、派遣会社は、派遣労働者の賃金を決定する際、①派遣先で同種の業務に従事する労働者の賃金水準②派遣労働者の職務の内容、職務 の成果、意欲、能力、経験などに配慮しなければならない。

オ:労働者派遣法の正式名は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等 に関する法律」から「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に改正され、法律の目的にも、派遣労働者の保護のための法律であることが明記された。

 

17:ストレスに関する記載について正しいものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:生理学者セリエは、怒りや恐怖による交感神経と副交感神経の安定状態を「ホメオスタシス」(生体恒常性維持)という概念で説明している。

イ:過剰なストレスや長期にわたるストレスがその人の限界に達すると、過労や疾病などで生産性は低下するが、適度なストレスは人間の行動を活性化し、心理的・生理的にもっとも効率の良い状態をもたらす。

ウ:平成14年、平成18年の夏目 誠らによる調査では、新しいライフイベントとして「職場での欠員補充が無かった」「職場での再教育を受けた」等の「リストラ関連のイベント」が発生していることが判明した。

エ:精神科医のアーロン・ベックは、論理療法や認知行動療法などの考え方により、否定的な認知を柔軟で合理的な考え方に変えていく認知の修正を行い、統合失調症の認知療法を考案した。

オ:心理学者リチャード・R・ラザルスはストレスコーピングを、問題焦点型と情動焦点型とに分け、さらに①計画型②対決型③社会的支援模索型④責任受容型⑤自己コントロール型⑥逃避型⑦離隔型⑧肯定評価型の8つの型に分類した。

 

18:公的な機関が発表する雇用や失業に関する統計データは直接・間接的に産業カウンセリングの業務に影響する。次の記述のうち、誤っているものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:完全失業率は 完全失業者 ÷ 労働力人口 × 100(%)で計算される。労働力人口とは15歳以上人口のうち、従業者、休業者、完全失業者を合わせたものを表し、特に従業者と休業者を合わせたものを就業者という。完全失業者とは、1:仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない) 、2:仕事があればすぐ就くことができる、3:調査期間中に,仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む) の3つの条件を満たす者を表している。

イ:有効求人倍率の「有効」とは、公共職業安定所への申し込みが有効期間中のものを表すが、原則として申し込み月を含めて2ヶ月がその期間に該当する。

ウ:常用労働者とは「期間を定めずに雇われている者」、「1か月を超える期間を定めて雇われている者」、「1か月以内の期間を定めて雇われている者又は日々雇われている者で、前2か月にそれぞれ18日以上雇われた者」を表す。

エ:雇用管理調査におけるフリーターとは、15~30歳の若年者(学生及び主婦を除く)のうち、勤め先における呼称がアルバイト又はパートである者(これまでアルバイト・パートを続けてきた者で無業の者を含む。)をいう。

オ:有期労働契約に関する実態調査の中で、有期契約労働者が従事する職務は、勤務先の事業所における正社員との対比によって5つに分類されている。

 

19:パーソナリティの形成と変容について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:E.クレッチマーは臨床精神医学の立場から、躁うつ病と統合失調症が体型と関係が深いことを認め、さらにW.H.シェルドンは4千人近い学生の調査を行い、その体型を内胚葉型、中胚葉型、外胚葉型と分類した。

イ:精神を決定するリピドー(心的エネルギー)が外界を向いているか内界を向いているかによって性格分類を行ったC.G.ユングはその類型を外向型、内向型に分類し、さらにそれに思考、感情、感覚、直感型の4分類を加え、8種の性格を分類した。

ウ:心理学的には先天的な情動を伴う個人的特質の部分を気質と呼称しており、人間が生まれながらに保有する特質を示している。

エ:多くの不適応行動をもたらす患者のパーソナリティを変容させ、不適応行動を防ぐことは医療活動の基本原理であり、またカウンセリングの心理療法的機能の原理でもある。

オ:発達段階におけるパーソナリティの変容を唱えたJ.ピアジェとL.コールバーグは発達段階を知的レベルで分類した。一方でE.H.エリクソンはその発達段階を心理学的観点から分類した。

カ:S.フロイトは人間のこころを構造論的観点で、意識、前意識、無意識と分類し、性のエネルギー(リピドー)を局所論的観点で、イド、自我、超自我に分類した。

 

20:行動療法に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:シェーピング法はオペラント条件付けの技法の一つであり、反応を段階的に学習していくことによって目標となる新しい適応行動を形成する技法である。

イ:レスポンデント条件付けの技法の一つである嫌悪療法は、不適応行動をとらせるまたはイメージさせ、同時に嫌悪刺激を対提示して不適応行動を消滅させていく技法である。

ウ:系統的脱感作法とは、不安や恐怖を引き起こす条件刺激に対する過剰な感受性を系統的に高めていき、最終的に条件刺激に対する反応が起こらないようにする方法である。

エ:訓練によって、本来自己に備わっていない環境の変化に応じた内的均衡を新たに生成させる自律訓練法はドイツの精神科医シュルツによって創案された。

オ:他の行動の観察や模倣による新しい行動様式の獲得や反応パターンの変容を行うモデリング法は認知理論に基づいた技法の一つである。

カ:認知療法と行動療法をあわせた認知行動療法を提唱したD.マイケンバウムは、その療法をストレス対処法にも用いている。

 

21:来談者中心療法に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:助言、指示が中心であった伝統的なカウンセリング方法である指示的方法を批判したロジャーズのカウンセリング論の特徴は、人間に対する楽観的な見方にあり、それはフロイトに見られるような原罪的な悲観論とは対照をなすものである。

イ:自己概念と経験のずれを問題行動の原因としており、自己概念の歪曲部分と否認された経験部分の一致した範囲が大きくなることを自己概念の変容としている。

ウ:はっきりとクライエントが意識していていない事実や経験を言語化する方法は、ロジャーズが初期の非指示的カウンセリングにおいて重視した明確化という技法である。

エ:パーソンセンタード・アプローチを唱えたロジャーズはその考えに基づき、エンカウンターグループを実践し、紛争解決や差別問題等の解決にそれを応用した。

オ:マグレガーのY理論やアージリスの人間観と同様に、来談者中心療法は「人間は自ら成長し、自己実現しようとする力をもっている」というパーソナリティを前提としている。

 

22:交流分析に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:アメリカの精神科医エリック・バーンが提唱した自己分析法である交流分析は、過去のある時点での自我状態に気づくことによって、感情、思考、行動を自己コントロールすることを目的としている。

イ:交流分析では、人間の自我状態を、CP(批判的な親)、NP(養育的な親)、A(大人)、FC(自由な子供)、AC(順応した子供)の5つに分類している。

ウ:J.M.デュセイが考案したエゴグラムは5つの自我状態が放出する心的エネルギーの種類をグラフ化したものであり、構造分析において、クライエントの性格傾向を把握するのに用いられている。

エ:交流分析では、人間関係のなかでトラブルとなってしまうようなこじれた交流をゲームと呼称し、繰り返し起こり、不幸な結果を招いているゲームに気づき、そこから脱却する方法を見いだすことを目的としている。

オ:交流分析では、現在の行動に強く影響している幼児期に慢性化した不快な感情をラケットと呼称し、このラケットは通常はゲームの結末で体験される。

カ:ストロークは交流分析の中で「その人の存在や価値を認めるための言動や働きかけ」と定義されており、肯定的ストロークと否定的ストロークが存在する。

 

23:カウンセリングの理論に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:家族システム論は、理論生物学者ベルタランフィによって発表された一般システム理論から発達しており、家族システムには上位の学校、職場のような社会システム、下位の家族、夫婦のような個人システムといった階層が存在する。

イ:V.E.フランクルの提唱した実存分析は、その他の人間性心理学に基づいた理論と同様に人間を「自己実現を追求する存在」と認識しており、人間の責任性と倫理性を重視した。

ウ:精神科医グラッサーの体験を基礎とした現実療法は、マズローの欲求階層説における「所属・愛の欲求」が充足されていないことによる精神的不適応からの回復を主目的としており、精神障害者や犯罪者等にも適用されている。

エ:森田療法は、不安に逆らわず、不安をあるがままに受け入れ、生の欲望に従って行動していくことを体得させる方法であるため、生の欲望が乏しいクライエントには不向きである。

オ:吉本伊信の創始した内観療法は、自分の歴史を徹底的に吟味することで、大勢の人に支えられてきたことや自己中心的な考え方、主観的な不幸感にとらわれていた自分を発見する手法である。

カ:ド・シェイザー、インスー・キム・バーグらによって開発された解決志向型アプローチではミラクル・クエスチョン、コーピング・クエスチョン、スケーリング・クエスチョンなど特徴的なものが多く使われるため、クライエントのタイプを査定し、それに応じて質問や提案を選択する。

 

24:グループ・アプローチに関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:集団の機能、課程、力動などの相互影響作用を応用し、メンバー各人の気づきによって、自他への信頼、自律、自己実現、関係改善、組織開発などの促進をはかる心理学的手法である。

イ:グループ・アプローチは米国内の精神障害者治療の実践として発展し、J.L.モレノのサイコドラマ、行動療法、ゲシュタルト療法等を包含しながら発達した。

ウ:アプローチの種類として、國分康孝が提唱した構成的エンカウンターは組織開発的グループに含まれ、その他に治療的グループ、集中的体験グループ、セルフヘルプ・グループが存在する。

エ:非構成的グループエンカウンターはロジャーズの理論に基づいており、メンバーの動きは自発的に行われ、活動の中心は主として言語的交流によって行われ、構成的グループエンカウンターや感受性訓練とは大きく異なる。

オ:Tグループは参加者中心の自己開示が基本であり、参加者が自己と厳しく対峙することが求められるため、メンバーが深く傷ついたり、不安定になるケースもある。

 

25:次の事業場のうち、労働安全衛生法に基づき、衛生委員会を設置しなければならない事業場を選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:常時使用する労働者が10人以上の事業場で業種が金属製品製造業に該当するもの

イ:常時使用する労働者が20人以上の事業場で業種が燃料小売業に該当するもの

ウ:常時使用する労働者が50人以上の事業場で業種が熱供給業に該当するもの

エ:常時使用する労働者が100人以上の事業場でパソコンを使用したデスクワークのみを行う事業場

オ:常時使用する労働者が100人以上の事業場で業種が旅館業に該当するもの

 

26:自殺に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:平成24年3月発表の警察庁統計 職業別自殺者数によれば、無職者の自殺が一番多く、次いで被雇用者、自営業者となっている。

イ:近年の統計では自殺者の原因・動機として、健康問題が主なものとなっており、次いで経済・生活問題となっている。

ウ:精神疾患は自殺の重要な危険因子の一つであり、精神疾患の中では統合失調症が自殺と最も関係が深いといえる。

エ:自殺をほのめかす言動に関しては、自殺の危険因子について評価検討し、自殺の危険性をまず把握することが必要である。

オ:自傷他害の危険を察知した場合は、家族や職場関係者等に速やかに連絡をとることが必要である。

 

27:精神障害に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:統合失調症の根本的な原因は不明であるが、神経伝達物質のインバランス等の脳の代謝異常と心理社会的なストレスなど環境因子の相互作用が臨床的な発症の発端になると推測されている。

イ:統合失調症による妄想および幻覚症状は、主にドーパミン遮断剤の適量の投与によって高い確率で症状の抑制が可能であるとされている。

ウ:我が国では心療内科や精神科におけるうつ病治療の主流が薬物療法であり、脳内に不足している脳内物質(セロトニン、ノルアドレナリンなど)の分泌を促進させる薬物治療を行う。

エ:心気症は、自分は重い病気に罹っているのではないかという考え(固着観念)にとらわれて、他者にそれを訴え続ける状態を示す。

オ:神経性無食欲症は、一般的には拒食症とも言われており、神経性過食症(過食症)とあわせて「中枢性摂食異常症(摂食障害)」として厚生労働省の特定疾患に該当する。

カ:強迫症状とは強迫性障害の症状で、強迫観念と強迫行為で構成されるが、それらを不合理なものであると自分で認めている場合には強迫性障害と診断されない。

 

28:精神障害に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:躁病は、自我感情が亢進して、自信過剰、爽快気分、疲れを感じないなどの症状が出現し、睡眠欲求の減少につながる場合もある。

イ:モノアミン仮説とは、大うつ病性障害などのうつ状態は、モノアミン類、ノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の低下によって起こるとした仮説である。

ウ:心身症は、身体疾患のなかで、発症や経過に心理社会的要因が関与する病態であり、神経症やうつ病などの精神障害にともなう身体症状もこれに含まれている。

エ:自分の心に描く願望や空想の対象像と、客観的、現実的な対象像がどのように一致し、また、ずれているかについて検討する心の動きを「現実検討能力」という。

オ:精神病や神経症になると、客観的現実とのかかわりが失われ、幻聴、幻覚、被害妄想などが症状として出現し、現実検討能力がなくなる。

 

29:平成23年に厚生労働省から発表された心理的負荷による精神障害の労災認定基準に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:業務による心理的負荷(ストレス)の評価方法が2段階から1段階に改善され、強姦やわいせつ行為等を心理的負荷が極度のものとして例示した。

イ:強い心理的負担となる時間外労働時間数等が具体的に記載され、心理的負荷の具体例と共に負荷の評価を「強・中・弱」に分類した。

ウ:心理的負荷の評価期間は発病前おおむね6ヶ月とされていたが、いじめやセクシャルハラスメント等が長期間継続する場合には6ヶ月を超えて評価されることとなった。

エ:精神障害が既に発病していた場合には悪化したときであっても労災対象とされなかったが、発病後であっても悪化した場合は全て労災対象となった。

オ:精神障害の審査方法として、業務による強い心理的負荷が原因であることが客観的に明確な場合には、業務以外の要因の調査は行われなくなった。

 

30:精神障害に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:「事例性」とは、平均的な状態から乖離した状態を示す。メンタルヘルスに関して、職場関係者は素人として「事例性」の視点を持つことが求められる。

イ:厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」において、試し出勤制度(リハビリ出勤制度)の記載がされており、リハビリ出勤が法的に認められた。

ウ:リハビリ出勤は、一定の日時、時間帯で一定の作業に従事するため、給与が発生するが、リハビリ出社については支払う約束をしない限り給与は発生しないのが原則である。

エ:境界性パーソナリティ障害は、不安定な自己 - 他者のイメージ、感情・思考の制御不全、衝動的な自己破壊行為などを特徴とする障害であり、自殺率が非常に高い。

オ:解離性障害は本人にとって堪えられない状況を、自分のことではないと感じたり、あるいは解離性健忘などのようにその時期の感情や記憶を切り離して、それを思い出せなくすることで心のダメージを回避しようとすることから引き起こされる障害を示す。

 

31:職業選択理論に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:予測システム、価値システム、基準システムの3段階の意思決定プロセスを提唱したジェラットは「職業選択は職業に関する意思決定の連鎖的な過程である」と述べている。

イ:心理学者ジョン・L・ホランドは、その職業選択理論において、パーソナリティと環境を現実型、研究型、芸術型、社会型、企業型、慣習型の6つに分類している。

ウ:V・ブルームによって提唱された期待理論では、動機付けの決定要因を、職務遂行の努力が何らかの個人的報酬に繋がるであろうという期待と、その報酬に対して人が持つ客観的価値の二つの要因とした。

エ:社会学的構造理論を提唱したE.L.ハーは職業選択における家族の影響を重視した。

オ:組織心理学者エドガー・シャインは、自らのキャリアを選択する際に、組織内の変化によって変容する最も大切な価値観や欲求のことをキャリア・アンカーと提唱した。

カ:社会学的学習理論を提唱したアルバート・バンデューラは、「個人が、あることを選択できるかどうかを規定する主な要因は、機会に出会うかどうかである」とする機会理論を提唱した。

 

32:パーソナリティ理論に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:H.アイゼンクは先の研究者であるキャッテルの因子分析をあまりにも無作為すぎるとして批判し、最初から抽出すべきパーソナリティを(「外向-内向」、「神経症的傾向」の2次元)と規定した。このパーソナリティを判断するために最も適切と思われる因子を探した結果、「モーズリー性格検査」というものが作られた。

イ:パーソナリティの特性論者とみなされている心理学者G.オールポートは、個人のパーソナリティの中でとりわけ優勢な特性とは何かといった議論を主に展開している。

ウ:K.ゴットシャルトは、パーソナリティが知的上層と内部感情的基底層から構成されていると考え、後者を最も内側から根本気分層、衝動層、興奮層、感情思考層に分けた。そして内側ほど環境の影響を受けやすく、外側ほど遺伝的既定因が強いと考えた。

エ:G.オールポートが辞書中の性格用語を抽出したことに端を発した5因子論では、外向性、調和性又は協調性、誠実性、情緒的安定性又は神経症的傾向、経験への開放の5つの因子によってパーソナリティを説明している。

オ:類型論の研究者としてはクレッチマー、ユング、シェルドン、デュルタイ、シュプランガー、フロム、ホーナイらが存在する。

 

33:アンナ・フロイトの提唱した防衛機制に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:「抑圧」とは実現困難な欲求や苦痛な体験を一時的に忘れることであり、フロイトはこの「抑圧」を最も基本的な防衛機制と考えた。

イ:「投射」とは自分自身の中にある受け入れがたい不快な感情を相手が持っていることにして責任を転嫁することである。

ウ:「合理化」とはもっともらしい理屈をつけて自己を正当化しようとする防衛機制である。

エ:「同一視」とはある対象の考えや感情、行動等を無意識に取り入れ、その対象と同じような傾向を示すようになる心理的過程である。

オ:「摂取」とは他者の中にある感情や観念、価値観などを意識的に自分の中に取り入れる防衛機制である。

カ:「反動形成」とは抑圧が十分でなく、自分の欲求にある程度気付いて、それが表面化することで自己の評価が低下することを恐れるあまりに全く正反対の態度や行動をとる防衛機制である。

キ:「分離」とは思考と感情、または感情と行動が切り離されていることであり、観念とそれに伴う感情とを分離するが、観念は意識において保持し、感情は抑圧することなどである。

 

34:記載された防衛機制の種類に対して、誤った例が示されているものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:「置き換え」---寝不足による嫌悪感があり、弟に八つ当たりする。

イ:「補償」---結婚出来ない女性が結婚をあきらめ、仕事に専念する。

ウ:「打ち消し」---女性の胸元をつい見てしまい、慌てて違う物を見て目線を誤魔化す。

エ:「昇華」---クラスの人気者だったA君が芸人として芸能界で活躍するようになった。

オ:「退行」---ホームシックになった学生が、実家に帰って親に甘える。

カ:「反動形成」---好きな異性に対して、無関心を装ったり、逆に意地悪な態度に出る。

 

35:防衛機制に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:アンナ・フロイトは主要な防衛機制として、退行、抑圧、反動形成、分離、打ち消し、投影、取り入れ(摂取)、自己への向き換え(自虐)、逆転、昇華の10種類を挙げており、更に「原始的防衛機制」の概念を発展させた。

イ:不安な時に他人の話を鵜呑みにしやすくなったりするのも「退行」の一種だが、これは「取り入れ」をよく用いる発達段階に戻ったことでおこる現象と考えられている。

ウ:本当は相手が悪いと思っている人が、それを意識できずに自分自身を責め、抑うつ的になる場合などは「自虐」(自己への向き換え)の典型である。

エ:原始的防衛機制における「分裂」とは、対象や自己に対しての良いイメージ・悪いイメージを別のものとして隔離することである。

オ:原始的防衛機制における「躁的防衛」とは、自分の大切な対象を失ったり、傷つけたりしてしまったと感じた時に生じる不安や抑うつ感などの不快な感情を意識しなくする為に行われる。

 

36:EAP(従業員支援プログラム)について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:EAP(従業員支援プログラム)を行う機関によってそれぞれ具体化しているサービスが異なり、機関によって差が生じてしまうことが現在問題になっている。

イ:事業内にある資源と事業外の資源の橋渡しをうまく行うことはEAP(従業員支援プログラム)を有効化するための要件の一つである。

ウ:カウンセリング、管理職を含めた従業員への研修、治療機関の紹介とその後のフォローアップが我が国における主なEAP(従業員支援プログラム)のサービス内容である。

エ:2005年の労務行政研究所調査によれば、国内でEAP(従業員支援プログラム)サービスを受けている又はそれらの機関と契約している事業体は全体の3割程度であった。

オ:EAP(従業員支援プログラム)はそのサービス水準の明確化と専門職としての質の向上が今後の課題とされている。

 

37:ストレス理論と心身症について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:ストレスを与える警告刺激はストレッサーと呼ばれており、物理的、化学的、生理・生物学的、心理的・社会的等の種類がある。

イ:人間の身体には恒常性を維持するための機能が配置されている。一般に強いストレスがかかるとアドレナリンが分泌し、心拍数と血糖値の上昇をもたらすが、それを緩和するために副腎皮質が機能する。

ウ:心身症やストレス関連疾患には神経症やうつ病などの他の精神障害にともなう身体障害は含まれない。

エ:同じようなストレスを与えられた場合であっても、個人の性格、価値観等によってストレス反応は異なるが、異なる原因としては、家族や友人からの援助を意味する緩衝要因も含まれている。

オ:H.セリエの提唱した非特異的症候群の三徴候とは副腎の肥大、胸腺の萎縮、胃・十二指腸潰瘍である。

 

38:労働基準法における就業規則に関して、必ず記載しなければならないものとして誤っているものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:災害補償及び業務外の傷病扶助

イ:賃金の決定、計算及び支払の方法

ウ:始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇

エ:退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

オ:安全及び衛生に関する事項

 

39:労働関係及びそれに関する法律について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:労働基準法と労働組合法における労働者の定義の違いは、前者の場合には労使間従属関係がその定義に含まれるということである。よって労働組合法上では失業者も労働者の定義に含まれる。

イ:残業の見込み時間を記載した求人手続きをハローワークにて行う場合は、事前に監督署に36協定を提出していなければ受け付けてもらえないことがある。

ウ:派遣元の使用者は、労働基準法第18条に定める条件のもとに、派遣中の労働者の貯金を受け入れることができるが、派遣先の使用者は、派遣中の労働者と労働契約関係にないので、派遣中の労働者の貯金を受け入れることはできない。

エ:労働者に対する住宅の貸与は、労働の対償としての賃金に含まれないが、住宅の貸与を希望しない者に対して定額の均等給与を支給した場合、これは賃金としてみなされる。

オ:労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その基準に達しない労働条件の部分だけでなく、労働契約そのものが無効となる。

 

40:カウンセリングの効用に関して、カウンセリングの間接的効果として誤っているものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:欠勤者の減少

イ:職場の活性化

ウ:従業員定着率の向上

エ:一定の作業に対する生産性の向上

オ:平均賃金の上昇

カ:製品やサービスの質の向上

 

41:パーソナリティの理論に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:R.B.キャッテルはパーソナリティを共通特性、独自特性、表面的特性、根源的特性に分類し、それらの相互作用の結果として全体的な人格特徴や行動様式が形成されていくことを提唱した。

イ:パーソナリティの形成に関して、遺伝的要因を唱えたA.L.ゲセル、環境的要因を唱えたワトソンに対して、W.シュテルンは輻輳説を唱え、遺伝的要因と環境的要因の双方をパーソナリティ形成の主な要因であると提唱した。

ウ:A.R.ジェンセンは人間の発達の諸要因は遺伝的要因のみによるものではなく、環境的要因のみによるものでもなく、両者の総和又は統合によるものであるという環境閾値説を提唱した。

エ:R.J.ハヴィガーストは、基本的な発達課題として様々なものを列挙しているが、その根底にあるのは「他人との情緒的なつながりを持つコミュニケーションスキル」と「両親からの精神的・経済的自立」である。

オ:J.ピアジェによる発達論は、内的世界と外的世界の相互的作用を中核として考えられており、発達を「内界と外界の同化と調節の作用による均衡化の過程」と定義している。

カ:K.ゴットシャルトは、パーソナリティは環境の影響が大きい知性的上層と、遺伝により大きく規定されている内部感情的基底層の二階層から成るという層理論を考えた。

 

42:K.レヴィンによる葛藤類型に関して、類型とその例が誤った組み合わせであるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:接近-接近     :中華料理と韓国料理、どちらも食べたい。

イ:回避-回避     :会社には行きたくないが、家にも居たくない。

ウ:接近-回避     :外食をしたいが、見たいテレビがあるから自宅に居たい。

エ:回避-回避     :叱られるのが嫌だから仕事の報告はしたくない。

オ:接近-回避     :旅行に行きたいが、外は寒いので外出したくはない。

 

43:リーダーシップの理論に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:標準的な階層組織における各人の役割、リーダーシップの役割を連結ピンモデルで表したリッカートは組織をシステムとして捉え、リーダーシップに関わる管理システムを4つに分類した。

イ:心理学者のフレッド.フィードラーは唯一最善のリーダーシップスタイルを否定し、組織の条件によって最適なリーダーシップスタイルが存在するという条件適合論を提唱した。

ウ:心理学者の三隅二不二は組織の能力をP(目標達成能力)とM(集団維持能力)に分類し、これら2つの能力要素による組織の状態としてPM理論を発表した。

エ:心理学者レヴィンはリーダーシップの型を専制型、放任型、民主型に分類し、短期的に生産能力を向上させるリーダーシップの型として民主型を提唱している。

オ:行動科学者のブレイクとムートンは、リーダーの関心度を人への関心度と業績への関心度に分類し、マネジリアルグリッド論を展開した。

 

44:心理テストの利用に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:心理テストの中でも投影法は実施、評価が難しいため、安易に利用しないほうが良い。

イ:心理テストは心理状態を客観的に評価するため、その客観性を高めるためにクライエントの心身状態が良好であるか否かを勘案せずに行うべきである。

ウ:キャリアカウンセリングでは特に心理テストが重視されており、職業興味検査、職業適性検査、性格・行動パターン検査が幅広く活用されている。

エ:質問紙法による心理テストは被検査者が社会的に望ましい方向に答えるといった回答の歪みをチェックするため、L尺度が準備されているものがある。

オ:集団で行った心理テストの得点のデータをヒストグラムで表し、集団の中でその個人が占める位置を表す数値に換算し、心理テストの結果を標準得点として示すことがある。

 

45:心理テストに関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:YG性格検査とは、アメリカのギルフォードが性格理論に基づいて考案した検査を基にして、日本の矢田部達郎が日本人用に標準化した性格検査である。

イ:内田クレペリン精神検査は方法も簡便であり、短時間での大量処理が可能であるため、広く利用されているが、結果の解釈が煩雑であるので、判定評価にはその経験と技能の習得が必要である。

ウ:ロールシャッハテストは個々の被検査者について多くの情報が得られることから精神疾患等の鑑別には欠かせない検査である。

エ:J.L.ホランドによって開発されたVPI(職業興味検査)は興味領域尺度と傾向尺度によって構成されており、双方の結果は特定の職業領域との関連性の強さを示している。

オ:SDS(職業適性自己診断検査)は、パーソナリティ・タイプに対応する職業領域が6つに分類されており、更にそれに加えて多面的なキャリアに関する尺度を用いている。

 

46:心理テストに関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:一般職業適性検査(GATB)では9つの適性能力(知的能力、言語能力、数理能力、書記的知覚、空間判断力、形態知覚、運動共応、指先の器用さ、手腕の器用さ)を測定し、適職領域の探索に役立てることを目的として行われるものである。

イ:S.R.ハザウェイとJ.C.マッキンレイによって開発されたMMPIは人格的側面を問う臨床尺度だけでなく、被検査者の意識によって回答結果が歪められる傾向を調査する妥当性尺度を含んでいる。

ウ:個別式知能検査は、ビネー式知能検査、ウエクスラー式知能検査が有名であるが、どちらも言語性検査と動作性検査を含んでいる。

エ:GHQ(精神健康調査)は、身体症状、不安と不眠、社会的活動障害、うつ状態に関する質問項目で構成されている。

オ:S.ローゼンツヴァイクによって開発されたPFスタディは、欲求不満を連想する言葉に対して絵を書き込んでいくテストで、反応から人格の傾向を把握することが出来る。

 

47:心理テスト利用上の留意点に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:個人のプライバシーを尊重し、結果を公表しないことが重要である。

イ:心理テストの結果によって優劣を決めず、相談指導の補助的なものとしてそれを利用することが望ましい。

ウ:心理テストの結果は客観性のあるものと考え、カウンセリングにおいてもその結果を重視すべきである。

エ:カウンセラーにとって理解不足で経験の少ない心理テストについては、専門家の立会いのもとで行うべきである。

オ:心理テストを選択する際にはその妥当性、客観性、信頼性等を勘案し、最適なものを選択するのが望ましい。

 

48:内観療法に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:集中内観と日常内観がある。

イ:内観は過去、現在、未来のうち、過去を重視して行う。

ウ:内観ではクライエントが、対象となる特定の人について、「してもらったこと」、「して返したこと」、「迷惑をかけたこと」の3点について考えていく。

エ:内観で対象となる人はクライエントが現在かかえている問題点に直結している人であり、その直結度合いの高い人から順に行っていく。

オ:非行、犯罪者の矯正教育、心身症、神経症の心理療法として効果がある。

 

49:THP(トータル・ヘルス・プロモーションプラン)の担当者について、その名称と職務についての記載に誤りがあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:産業医---指導的役割、健康測定、健康的な職場の雰囲気づくり

イ:運動指導担当者---運動プログラム等の作成

ウ:運動実践担当者---運動の実践

エ:産業保険指導担当者---生活習慣病対策、保健指導

オ:産業栄養指導担当者---食生活習慣改善、栄養指導

 

50:職場不適応に関する記述について、次の文章の中で誤った記載のあるものを選択せよ。(解答は一つとは限りません。)

ア:情動を感じることが極端に制限され、一切自分の感情は表に出さず、客観的事実や状況説明しかしない症状は失感情症と呼ばれている。

イ:テクノ依存症とは、パソコンやインターネットの情報に過剰適応し、その中の虚構空間を過度に信頼してしまい、人間的な豊かさを失ってしまうことを示す。

ウ:テクノ不安症とは、パソコン等の情報ハイテク機器に対して、必要以上に強い嫌悪感や恐怖心を持つことを示す。

エ:出社拒否症は、厳しい受験競争社会や就職難の時代を乗り越えてきた世代に対して、他の世代が劣等感を持つことから生じることが多い。

オ:アメリカの心臓専門医フリードマンとローゼンマンは管理職に多い疾患としてタイプA(Aggressive)行動パターンを報告している。